規制圧力の中、AdobeがFigmaの200億ドルの買収を放棄
Adobeは、規制当局の厳しい監視と異議を受け、Figma、主要な製品デザインプラットフォームの200億ドルの買収を正式にキャンセルしました。この取引は昨年9月に発表され、英国と欧州連合の反トラスト当局からの懸念により終了されました。
Adobe and Figma announced we have entered into a mutual agreement to terminate our previously announced merger agreement. We thank our communities for the support. As we turn our sights to 2024 and beyond, we’re excited to build on the incredible innovation we delivered in 2023.…
— Adobe (@Adobe) December 18, 2023
英国の競争市場庁(CMA)は、この合併がデジタルデザイン分野の競争に悪影響を与え、分野内のイノベーションを阻害する可能性があるとの懸念を表明していました。これは、Adobeがデザインソフトウェア市場で支配的な地位にあることに起因しています。
終了契約の一環として、AdobeはFigmaに10億ドルの逆終了料金を現金で支払う必要があります。買収のキャンセルにもかかわらず、AdobeとFigmaの両社は規制当局の調査結果に強い異議を表明しましたが、独立して進むことが最善と判断しました。
Adobeの会長兼CEOであるShantanu Narayenは、「AdobeとFigmaは共同で創造性と生産性の未来を再定義するビジョンを共有していましたが、我々は依然として巨大な市場機会を活用し、個別化されたデジタル体験を通じて世界を変えるという使命を遂行するために十分な立場にあります」と述べました。
この合併は激しい審査に直面し、競争条件を回復するためにAdobeから大規模な譲渡と譲歩が提案されました。FigmaのCEOであるDylan Fieldは、「これは我々が望んでいた結果ではありませんが」と認め、規制当局の承認への道筋が見えなくなったと付け加えました。
この予期せぬ展開は15ヶ月にわたる規制審査プロセスの終わりを示し、AdobeとFigmaは独立した企業として歩み続けることになります。